新築マンション契約率

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新築マンション契約率 70%割れ

マンション市場の頭打ち リーマン・ショック以来、契約率 70%割れ

 

マンション市場の頭打ちが明確になってきています。
不動産経済研究所が19日発表した2016年の首都圏のマンション市場動向によると、年間契約率は68.8%と前年に比べて低下しています。
好不況の目安とされる70%をリーマン・ショック以来7年ぶりに下回りました。

 

・続いてきたマンション価格の高騰の原因は?
2016年の1戸あたりの首都圏の平均販売価格は5490万円です。
平均価格が4000万円台半ばにとどまっていた2012編後半までと比べらればなお2割ほど高くなっております。
サラリーマンの所得が大きく増えない中で、続いてきたマンション価格の高騰、それはなぜでしょうか?
資材価格や人件費など建設コストの上昇が販売価格に転嫁されたことが主な原因ですが、それだけではありません。
ここ数年、マンション市場の需要と供給とは違う力学が働き、不動産価格の上昇に影響を与えた可能性が高いと考えられます。
・「異次元マネー」が不動産へ
きっかけは2013年4月。
日銀の黒田東彦総裁がデフレ脱却を目指して打ち出した「異次元緩和」にあります。
日銀はこの政策により、直前に134兆円だった資金供給量(マネタリーベース)を2016年末までに426兆円へと3倍超にまで膨らませました。
この異次元緩和によって世の中にあふれ出したお金が向かった先が不動産業でした。
国内銀行の不動産向けの融資残高は2016年9月末時点で69兆6698億円と統計を遡れる1970年以降で最大となりました。
異次元緩和の資金が不動産業より多く流入したのです。
つまり、マンション契約率の低下と平均価格の下落は、「日銀の金融緩和頼み」の市場活況に限界が訪れたことを示唆しているといえるのではないでしょうか。

 

・金融政策変更で住宅ローン申し込み件数が減少
昨年9月。
日銀は金融政策を変更しました。
日銀は長期金利を新たに操作対象とする「長短金利操作」を打ち出しました。
この決定は、想像以上に下がり過ぎた10年超の長期金利の水準を是正したい
という意向がありましたが、長期金利に連動する住宅ローンの利用者にとっては金利の上昇を意味します。
マイナス圏にあった長期金利がプラスの水準に戻り、住宅ローン金利は昨年8月に底に下げ止まります。
そして、足元では小幅ながらも上昇傾向にあります。
この結果、主要行の住宅ローン申し込み件数は減少傾向に転じました。

 

これまでのマンション市場の堅調さが本来の需要に裏打ちされていれば、足元で見られる小幅な金利上昇が販売に大きく影響することはないでしょう。
しかし、異次元マネーと低金利時代を当て込んでいたのなら、マンション市場の「需給調整」はやむを得ないと言わざるを得ません。

トランプ大統領誕生から銀行が不動産融資にアクセル?

都市銀行をはじめとした金融機関が昨年12月に入り、個人向けのアパートローンなどを除いて、ブレーキを踏んでいた不動産向けの貸し出しにアクセルを踏み始めました。
その理由は、2016年の4月以降、金融機関は個人向けのアパートローンを除いて不動産業への融資を絞り気味にしてきました。
下半期にもこのままの状態が続くと、収益計画に対して未達になる可能性が高まり、銀行はアクセルを踏み始めたわけです。
さらに、トランプ大統領の誕生以降、米金利上昇に伴ってドル調達コストも跳ね上がっています。
日本の銀行は外債投資では利ざやがとれなくなり、資金が国内に回帰しているのではないでしょうか。
ただし、この状況は長くは続かないのではないでしょうか?
米金利がいったん天井を打ったとの見方が広がると、銀行勢外債投資が再開する可能性が高いからです。
つまり資金が、国外へ動くと言えます。
また、期末を越えて2017年4月以降も不動産業への貸し出しが増え続けると、米金利の市況と相まって金融機関による貸出先のババ抜きで不動産市場は嫌な雰囲気になるのではないでしょうか。